読書メモ「FACT FULNESS」
・世界のことについて考えたり、推測したり、学んだりしたりするときは、誰でも無意識に「自分の世界の見方」を反映してしまう。だから、世界の見方が間違っていたら、正しい推測もできない。
ドラマチックすぎる世界の見方をしてしまう。
それは、悪質メディアなどの低湿な情報のせいでも、知識のアップグレードができていないからでもない。
原因は脳の機能にある。
脳はたびたび錯覚するものだ。
この二つの横線は、下の横線のほうが長く見えるが、二つは同じ長さだ。
でも、同じ長さだと知っていても、実際に測ってみて確認しても、違う長さに見えてしまう。
こうした錯覚は、目で起きるのでなく、脳で起きている。
・4つのレベル
レベル1
1日の稼ぎが1ドル。世界におよそ10億人。
レベル2
1日の稼ぎが4ドル。世界におよそ30億人。
レベル3
1日の稼ぎが16ドル。世界におよそ20億人。
レベル4
1日の稼ぎが32ドル。世界におよそ10億人。
・ネガティブ本能が刺激される理由。
あやふやな過去の記憶。
偏った報道。
「以前に比べたらよくなっている」と言いづらい空気。
「世界がどんどん悪くなっている」という人は、実はあまり深く考えていなくて、なんとなく感じているだけ。
・頭の中に、「悪い」と「良くなっている」という2つの考え方を同時に持つこと。
・最も貧しいところでは、すべてを完璧にこなすことはできない。何かを完璧にこなそうとすれば、もっと大事な他のことがおろそかになる。
・何かの重大な勘違いをしないために、ひとつの数字だけに注目しないこと。
数字をひとりぼっちにしない。ひとつの数字が、それだけで意味をもつことはない。もしひとりぼっちの数字を見かけたら、「それと比較できるような、ほかの数字」を探すこと。特に大きい数字のときは、他の数字と比較しない限り、どんな数でも巨大に見える。数字が大きく見えると、その数字がさも重大なことを表しているように見える。
・「全体の8割」を占める項目を考える。
何かの項目を並べたとき、どの項目も同じくらい重要だと思いがちになる。全体の8割がどこにあるのか考え、なぜそこに集中しているのか、それによって何が考えられるのか、を気に掛けること。
・みんな、はるか遠くの「どこか」で起きていることが不安なようだ。そんな「どこか」では、自然災害で多くの人が亡くなり、感染症が蔓延し、飛行機はたびたび墜落する。地平線の向こうにある「どこか」では、恐ろしいことが毎日のように起きているに違いない。そう考えると、なんだか不思議な気分にならないだろうか。なぜなら、そんな恐ろしいことは「ここ」では滅多に起きないのだから。
あなたが「ここ」と呼ぶ場所はひとつしかない。でも、世界には数えきれないほどの「どこか」がある。「どこか」はたくさんあるのだから、その分たくさんの悪いことが起きているのは当たり前だ。ひとつひとつの「どこか」が、あなたが住む場所と同じくらい安全だったとしても、合計すれば悪いことの数は大きくなる。
それぞれの「どこか」がどんな場所かを調べてみると、ほとんどは、実はとても平和な場所であることがわかる。でも、その安全な「どこか」の存在をあなたが知るのは、そこで恐ろしい事件が起きたときだけ。それ以外の日には、平和な「どこか」の存在を耳にすることはない。
・ひとつしかない数字をニュースで見かけたとき、
この数字は、どの数字と比べるべきか?
この数字は、1年前や10年前と比べたらどうなっているか?
この数字は、似たような国や地域のものと比べたらどうなるか?
この数字は、どの数字で割るべきか?
この数字は、合計するとどうなるのか?
この数字は、ひとりあたりだとどうなるのか?
できるだけ量でなく割合で計算すること。そのあとで、数字が重要かどうか判断すること。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本